iBook(DUALUSB 500Mhz)に互換無線LANカード(WLI-PCM-L11GP)を内蔵させてみました


アンテナケーブルの断線

iBook(DUALUSB 500Mhz)の無線LANの接続が不安定になってきていました。

断線しかけている

というのも、以前から図の様に、キーボードの真下に隠れているAirMacカードと、

本体のアンテナとを接続するケーブルが、コネクタの根元で断線しかけていたからです。

だましだまし使っていましたが、今回は完全に断線して、無線ネットワークに接続できなくなってしまいました。


4つの選択肢

さてどうするか?

  1. コネクタにケーブルをハンダ付けする
  2. AirMacカードにケーブルをハンダ付けする
  3. 無線LAN用のアンテナのケーブルのついたコネクタの部分だけ使う
  4. アンテナの要らない(壊してもいい)互換品とAirMacカードを入れ替える

1.はハンダ付けする箇所が狭すぎる&小さすぎるので却下、2.も同様です。

3.はオンラインではあまり見かけない上に割高です。(わざわざ電気街に行く程今回は気合いはありません。)

4.ネットの噂によると、どうやらバッファローのWLI-PCM-L11GPが割と加工の必要が少なく、純正ドライバで動作する(互換品)上に、アンテナ線をつながなくても十分通信可能らしいそうです。

ということで、4です。

ずいぶん昔の製品ですから、入手難かと思われましたが、amazonの中古品で

1000〜2000円で出ていましたので(2010年4月現在)ゲットしました。


殻を切る

届いたWLI-PCM-L11GPは、まず、以前スリムドライブを換装したDynabookに差し込み、動作を確認しました。

黒いプラの殻にヒビと汚れがありましたが、どうせ破壊同然に手を加えるのでどーでもいいとします。

iBookのキーボードをはがして、AirMacカードのささっていたPCカードスロット(?)にL11GPをさしてみようとしますが、ぎりぎり1〜2ミリ長過ぎて、うまくささりません。

というわけで、黒い殻の部分を削る事にします。

切り取り箇所

カード裏面のプラ部分のすきまをこじ開けて、上蓋をカバの口の様に軽く開いた状態にして、図の反転させた部分をニッパでちくちく切っていきます。

とりあえず、下の図の様に緑色の基板ぎりぎりまで上蓋も底板も切ってみましたが、金メッキのジャックが邪魔で入りません。

基板

ジャックを外す

ハンダ付けされているジャックを外すとします。図の様に基板の上面だけでハンダ付けされています。

横から見た図

ハンダ付け箇所を露出させるため、プラ製の上蓋をさらに図の様に切り取ります。

ジャックを取るためにさらに切る箇所

ハンダ付け箇所は5カ所です。ハンダ吸い取り線を使ってハンダを除去してジャックを外します。

ハンダ付け箇所
ハンダ吸い取り線

しかし、最小限のハンダで固定されているため、ハンダゴテと吸い取り線と部品の接触が少なく、このままではうまく部品をはがせません。

引いても駄目なら押してみろという事で、あえてハンダを盛り増してから吸い取りました。

その時に使用済みの吸い取り線を二つ折りにして、金メッキのジャックと黒い底板の間に挟むとジャックが浮こうとするので楽です。(図の茶色の部分)



基板を削る

さて、ジャックを取り除いたのですが、基板の出っ張りが邪魔で後少しという所で入りません。

グランド以外の配線は通ってなさそうなのでヤスリで削ってしまいます。



めでたしめでたし?

ここで、AirMacスロット改め無線LAN限定PCカードスロットにピッタリ差し込める様になったので、差し込んだ状態で起動してみます。

AirMacカード固定用の金具(針金)は取り外します。

メニューバーAIrMacアイコンからAirMacを有効にすると、カードのLEDが光りだし、そのまま無線ネットワークの表示&接続が開始されました。

噂の通り、ドライバはインストールする必要はありません。

このままキーボードを閉じても、一応使用可能です。しかし、結構電波の感度が落ちてしまい、持ち運んで部屋を出ると接続が切れてしまいました。



アンテナ線のハンダ付け

という訳で、宙ぶらりんになっているアンテナ線をハンダ付けする事にします。

この細い同軸ケーブルをハンダ付けしやすくするためと、ジャック部品伝いで繋がっていたグランド端子同士を接続するため、もて余している切り取ったLEDの足を「く」の字状に曲げて図の様に取り付けました。

本体からのアンテナ線の先のコネクタは切り取り、芯線とシールドをハンダ付けし易くするために3,4ミリむき出しにします。

芯線は基板の凹の奥の端子に、シールドはグランドに接続します。



仕上げに

この状態(キーボードはひっくり返ったまま)で電源を入れて家のあちこちを歩き回って、電波強度を観察してみました。

どこへ行ってもメニューバーのAirMacゲージは満タンのままになり、存在を確認できる外部の無線ネットワークの数も以前と同じとなりました。

ただしこのままではアンテナケーブルの太さのため、キーボードが閉まらないので、下の写真の様に同軸ケーブルの通るすきまを切りました。

加えて絶縁のため、本体側にセロテープを貼っておきます。



大成功

システム概要
システムのバージョン: Mac OS X 10.4.11 (8S165)

カーネルのバージョン: Darwin 8.11.0

ワイヤレスカードの種類: AirMac

ワイヤレスカードのロケール: 日本

ワイヤレスカードのファームウェアバージョン: 9.52

ハードウェアの概要:

機種名: iBook

機種 ID: PowerBook4,1

プロセッサ名: PowerPC 750 (22.15)

合計コア数: 1

プロセッサ速度: 500 MHz

二次キャッシュ(CPU 単位): 256 KB

メモリ: 640 MB

バス速度: 67 MHz

ブート ROM のバージョン: 4.2.0f4

セールスオーダー番号: M7692J/A

めでたしめでたし

いつもこんなですまねい!

/TOP/